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あいすまん

あいすまん

卒業生の声

「卒業生の声」 文学部国文学科 みやじ。

 私は入学後すぐ、詩集『盲目』で第22回山之口貘賞を受賞し、今年2月には大学入学後に書き溜めた作品をまとめた詩集『idol』で2002年度沖縄タイムス芸術選賞文学部門現代詩の奨励賞を受賞しましたが、その詩作の基盤はサークル活動でした。1年時の5月に10人程度の友人とともに沖縄国際大学文芸部を創部し、4年間運営してきました。創部当時は音楽や趣味の話題を扱った雑誌『Amp!』を発行していましたが、詩や小説、エッセイなど文芸作品を集めた『沖国大文学』を創刊してからは、発行の度に新聞の文化欄などで紹介されるようになりました。ここ数年は部室と部費の提供も受け、『沖国大文学』も5号まで号を重ねることができました。部の活動内容は『沖国大文学』の編集作業に加え、作品を批評しあう合評会や、県内の詩人や他大学文芸部との交流、編集を持ち回りで担当する「月刊 偽パンダつうしん」の発行、ホームページの運営など多岐にわたり、一人ではできないことをやろうという主旨で活動しています。活動が安定するまでは様々な紆余曲折があり、部員同士の意思統一が困難となって廃部の危機に瀕したことも幾度かありました。しかしそれを乗り越えられた要因も、部員が協力することによって生じる相乗効果であり、サークル運営に携わった4年間で人間関係のつらさと素晴らしさの両方を学ぶことができました。最後に詩集『idol』の中から詩を一篇紹介します。<お前が昔に受けた傷は/俺にはどんなものか知る由もないが/やはりお前は俺が/お前を簡単な枠にはめて自滅する姿など/見たくないだろう/しかし何より/俺は自分が傷付くことを恐れていて/そのためにお前を傷付けてしまうんだ/お前は地平線に立ち向こうを向いていて/俺は死んだってそこに辿り着けない/風穴の開いた気休めの言葉を/0%の可能性を無理矢理信じて/俺は歩き続けるんだ/100%辿り着けないお前を目指して>(「会えないお前に」より抜粋)


沖縄国際大学2002年度卒業式で学生表彰を受けるにあたって執筆。



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